ループイフダンと含み損
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ループイフダンにおける含み損と証拠金維持率
投資に付きものなのが「含み損」です。ループイフダンもFXの自動売買ツールである以上、常に含み損が起こり得ます。含み損は簡単に言うと、決済されていない損失のことです。
例えば、100円の買いポジションを持っている時に、95円まで下がった場合、5円分を損しています。この時に、10,000通貨持っているとしたら、5万円分の損失になります。しかし、注文したポジションを決済しない、またはロスカットが発生しない限り、損失は確定しません。このように、確定していない5万円の損失のことを含み損と言います。
ループイフダンにおけるロスカットによる含み損の確定
ループイフダンの場合、基本的にロスカットの数値は証拠金維持率の100%になっています。証拠金維持率の式は以下になります。
・証拠金維持率:預り評価残高(口座資産+評価損益)÷取引証拠金×100%
例えば、自己資金100万円を預入れて、20万円分の通貨を購入した場合の証拠金維持率は、100万円÷20万円×100%=500%となります。
なお、取引証拠金とは、実際に通貨を購入する時に必要となる金額のことであり、「通貨価格×ポジション数÷レバレッジ」の式で算出できます。レバレッジというのは、元金に対して何倍の取引ができるかという数値のことです。FXでは最高が25倍になっています。
仮に、為替が100円の通貨を5万通貨購入したとして、レバレッジが25倍の場合は、100円×5万通貨÷25=20万円が取引証拠金になります。
このケースの場合、通貨価格が83円まで下がると、85万円の損失が出るため(17円×5万通貨)、ロスカットが実行されます。
(100万円-85万円)÷20万円=75%
もし、預入金が50万円の場合は当然もっと早く、93円に下がった時点でロスカットになります。
(50万円-35万円)÷20万円=75%
ループイフダンにおける含み損の捉え方
ループイフダンは、含み損の出ることを想定した取引になっています。それは、ループイフダンの運用において含み損が出ているということは、利益を得る前兆でもあるからです。為替の値動きというのはグラフを見れば一目瞭然ですが、長いスパンの間で波のように上がったり下がったりしています。一方的に上がり続ける、下がり続けるということはありません。
値動きの上下動があるからこそ、買いと売りを何回も繰り返すループイフダンの取引が成り立ちます。下がった時に買い、上がった時に売るという取引を何回も継続することで利益の積み重ねを狙うのがループイフダンです。つまり、含み損の出る値動きがルーフイフダンで利益を得る好機とも言えます。
例えば、ループイフダンでは「100円で買い・101円で売り」、「99円で買い・100円で売り」、「98円で買い・99円で売り」という注文の仕方をします。従って、100円で買ったものが99円に下がれば含み損になりますが、99円の買いが成立します。さらに、98円に下がれば含み損が増加しますが、98円の買いが成立します。
そして、為替が反転して99円になれば、98円で買ったポジションの利益が出ます。100円に戻せば、99円のポジションも利益を生みます。この取引を繰返すのがループイフダンの基本です。
このように、ループイフダンでは細かい利益(年利10%からせいぜい20%)を狙います。ロスカットにならない程度のレンジで、含み損になっても損切りは行わず、価格の反転まで耐え続けるのがループイフダンの常道です。
ループイフダンにおける含み損が有効なレンジ相場
ルーフイフダンの取引が有効なのは、ある程度の範囲で細かい値動きの上下動を繰返す「レンジ相場(ボックス相場)」です。値動きの大きい相場だと、含み損が大きくなり過ぎてロスカットになる危険性があります。
ループイフダンにおける含み損対策の両建て
含み損を解消するための対策として「両建て」があります。FXで含み損が出るのは、買いポジションの時に値が下がるからです。例えば、100円の買いの時に99円に下がると、1円分の含み損ができます。
しかし、これが100円の売りポジションであれば、1円分の利益に変わります。それを利用したのが両建てであり、思惑と違って値が下がり続けても、買いポジションと同じ本数の売りポジションを持っていれば、含み損によるロスカットが発生しなくなります。これが、両建てのメリットでもあります。なお、含み損のプレッシャーからも解放されます。
ループイフダンでは買いではなく、売りからもポジションを持つことができます。しかも、取引証拠金は買いか売りのどちらか多い方のポジション分で済みます。買っても利益が取れ、売っても利益が取れるため、利益の二重取りになり、最高の方法にも思えますが、そう甘くはありません。
両建てにおけるデメリットには主に以下の3つがあります。
- スワップポイントとスプレッドで損
- 含み損が常に発生
- レンジ上限・下限のどちらを突破しても含み損が拡大
スワップポイントとスプレッドで損
両建てをするということは、売りと買いの両方のポジションでそれぞれスワップポイントが発生します。その合計は必ずマイナスになります。また、両建ての場合は反対取引の分のスプレッドもかかるため、倍のスプレッドを支払うことになります。
スワップポイントとは、低金利の通貨を売り、高金利の通貨を買うことで、受け取ることのできる金利分の差額のことです。一方、スプレッドとは、通貨を売る時の値段と通貨を買う時の値段の差のことです。
含み損が常に発生
両建てでは、売りと買いの両方を取引するため、常にどちらかの含み損が発生します。相場が下がっている時は買いの含み損、上がっている時は売りの含み損が出ています。従って、ループイフダンの取引を終了する時は、必ずどちらかのポジションの損失が発生します。
レンジ上限・下限のどちらを突破しても含み損が拡大
例えば、買いのポジションの場合、相場の流れで以下のようになります。
- 上昇:新規発注は少ないが、損失の発生は無し。
- 下降:新規発注は多いが、損失は拡大。
- 下限を突破:ロスカットの実行。
両建てでは、以下に変わります。
- 上昇or下降:新規発注が多く、損失が拡大。
- 下限or上限を突破:ロスカットの実行。
両建てをするということは、ロスカットの条件が2倍になり、リスクも2倍に増えます。両建てをする時は、損切りとどちらが良いのかを十分に検討してから行うことが賢明です。
実は、法令では両建てを勧めないように指導しています。「金融商品取引業等に関する内閣府令」では、「同一限月・同一数量の両建」を禁止しています。ただ、FXは期限のない取引のため、両建ては禁止規定には該当しません。ただ、両建て自体は規定に即さない行為であることに変わりはありません。
FX業者もそのことは意識しており、投資家に対して推奨していません。例えば、アイネット証券では、以下のコメントが出されています。
『両建ては、買付け価格と売付け価格の差(スプレッド)、支払いのスワップポイントと受取りのスワップポイントの差を負担することなど、経済合理性を欠く取引であることも否めません。お客様ご自身でよくご検討の上、ご利用下さいますようお願い申し上げます。』
要するに、両建てはシステム上ではできますが、会社としては勧めないので、あくまでも自己責任で対応してください、ということです。
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ループイフダンに関する有益な情報のご提供に努めて参ります。
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